大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2130号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三、そこで、申立を認容するについての附随処分について考える。申立人から前記会社に対する本件建物及び土地賃借権の譲渡予定価格は金六四〇万円であるというのであり、鑑定委員会の意見によれば、本件建物の価格は金六八万〇、四〇〇円、土地賃借権の価格は金六二四万円であるというのである。本件借地契約においては、賃料以外に、権利金、名義書換料等の金銭支払がなされた事実は認められない。したがつて、右のような高額の借地権価格は、社会経済事情の変動に基づき、主として自然発生的に形成されたものである。そして、それは当事者間に本件借地関係が継続する限りは、潜在的価格にとどまるものである。したがつて、申立人が、本件申立を認容する裁判を得て、賃借権を第三者に譲渡し、右価格を現実に収得する場合には、その利得の一部を相手方に還元する趣旨で、申立人に財産上の給付を命じ、当事者双方の利害の調整を図るのを相当と考える。

そこで、右給付額について考えるに、鑑定委員会は、前記借地権価格の一〇パーセントに当る金六二万四、〇〇〇円を相当とするとしており、申立人は右金額につき格別の異議はないと述べるが、相手方はこれに対し意見を述べず、申立前の協議の内容からすると、可成り不満であるようである。しかしながら右金額は前記認定の諸事情から考えて相当であるので、当裁判所もこれを採用し、財産上の給付額は、金六二万四、〇〇〇円とする。 (福嶋登)

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